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第317号 【ハードに偏った現代社会】 

date:2010-03-01



終戦後の日本は物資に乏しく、国民は物質文明に憧れモノ作りに夢中で取組み豊かさを築いた。

貧困状態の国を引き上げるには有効な手段であった。
65年が過ぎた今、振り返ってみた時、他に何を得られたであろうか?

今やGDPは19位に甘んじ、大部分の国民の心はすさんだ状態にある。日本はデフレスパイラルに巻き込まれ物の価格は下がり続けている。
リーマンショック以降は特に激しくなった。日本の物価が高過ぎるから、これで世界的なバランスが取れると言う方もおられる。

しかし地球資源を使い果たして、溢れるほどのモノを前にその多くはゴミと化している日本。

モノ作りが今の日本の早急なテーマとは思えないのである。『モノつくり』より『人つくり』だ。

言い換えれば『世直し』をする『人つくり』だ。『世直し』『人つくり』『モノつくり』の順番だと思う。

『モノを作る前に人を作る』と松下幸之助さんは述べられている。お互いに力を出し合える友を作って来ただろうか。

当社の社是は『地球益につくす』と定め、7ケのスピリットのどこにもモノつくりという言葉はありません。

人間性の構築が最優先であるという理念であり、当社の危機管理の真髄である。

人は構想力、発想力、業務遂行能力、ノウハウ、経験、モチベーション、やる気、思い、倫理観、人間性、等々の融合が一個人から組織化されてより効力を発揮します。

いかに「無から有への誕生」であっても個性や思いがなくては魅力はありません。「どんな想いでその製品を開発するのか」、「いかなる状態の下でどの様に作り込まれたのか」が重要である。

分別ある大人ならば理解が出来ても、外観だけでは判り難い内幕を子供の目線で判るように説く必要がある。親から金をもらい好きなモノを買っては遊ぶ事が当然と慣らさせてしまった様に思う。

もっと「編み出す喜びと、モノの価値を正しく判断し読み取る能力をしっかり訓練するべき」である。

価値表現がないときは値打ちが下がる一方である。価格が低下し続け採算が合わなければ破局します。一つのハード商品の開発には、数多くの支援や思いがあって初めて可能なのです。

過去はそれらをあまり記録に残さなかったために物質文明のみが育った日本の高度経済成長時代になったと思うのです。

形だけが出来上がっても、その中に秘められたノウハウや精神文明を体系化して行くと後世にも役立つのです。

これらを求めずにハードのみに偏ってしまった。

結果的に底力がなく世界同時不況のような事態にもろいのではないだろうか。

ハードとソフトは車の両輪であり、バランスして回らなければならない。バランスが取れていなければ次世代の人も正しく活用出来ない。

トップ経営者は企業マインドを磨き、社員の人間性が備わるように推進する中で協調精神を育んでいくべきである。無理難題でも出来ないと言わない社員を育てなければなりません。

その結果が製品の価値を編み出して行きます。
単に価格引下げというデフレスパイラル構図はその時に消えてゆくのです。
人類に与えられた心、心から発する精神文明を高めていくのです。
これらは21世紀の人類に課せられた重要テーマとして推進する時、人類に始めて地球への君臨が許されるのだと思う。

文責 会長 澤入 精


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