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第323号 サワーの歴史13

date:2010-09-01


【当社の基盤を築いた製品 SC-A10 開発秘話 1】




洗浄機には全く経験のない素人達が、ハンディタイプの版洗浄機の開発で曲がりなりにもSMT業界で認められると、1993年、1994年にはセミオートタイプの版洗浄機を開発することができました。

1994年6月に発表した198万円のセミオート機SC-A01は、日刊工業新聞社の“中小企業優秀新技術・新製品賞”を受賞し、副賞として100万円を戴きました。
それを次の技術開発の資金として活用するなど開発に一層弾みがつきました。

その後、スキージー洗浄機、インサーキットテスターピン洗浄機などを開発しましたが、これらは全て素人集団による開発です。しかも世の中にない種類の商品なのです。

こういう事例ができたことによって、サワーコーポレーションにいれば専門技術者でなくても開発を経験させてもらえる、と言うムードが社風として自然に芽生え始めました。
同時に社外からも当社に対するユニークな商品開発を期待されるようになり出しました。

動かない自動版洗浄機を作ろう

サワークリーンSC−1000を持参し、セールスのためにお客様を訪問しているうちに、お客様の実装工場内を見学させて頂く機会を得ました。

工場内を歩いていると、他社の洗浄機はほとんどがボックスに包まれています。しかし当社のセミオートタイプの洗浄機は裸です。他社に比べると異様な感じがしました。
箱に入れるのが適切とは思いませんでしたが工場内の美観もあるのでしょう。
そこで私達も考えました。
サワークリーンらしいボックスタイプの自動洗浄機を作りたいと。

1995年9月1日に入ると急にいくつかの自動洗浄機構想がまとまりました。
ボックスタイプの自動洗浄機を作る段になって、改めて材料費を試算してみるとずいぶん外装費が高くつくことに気が付きました。

いかに便利になり、きれいになっても高価になってはお客様が苦しむだけです。それは出来ないと思いました。
出来るなら安価で故障の起きにくい洗浄機を提供したい。

しかし開発する技術者が当社にはあまりにも少なく、そんな思いでうずうずしている時のことでした。

営業マンの彼は大阪地区を営業して1年になりますが、図面も引けない文系の人物です。

彼もお客様から自動洗浄機を作ってくれと何度も催促され、自分でも何とかして開発したいという思いを抱いていたのでしょう。
しかし、彼は設計経験もありませんでしたし、図面も判りません。
そんな彼でしたが、一つあまり喜べない特殊な能力がありました。

すぐに機械を故障させてしまうのです。

故障するはずのない機械でも彼が触るとたちまち故障してしまいます。まるで小さな子供が物をよく壊すのによく似ています。

「彼は子供のように非常に純粋なんだろう。」

私は彼のことをそう思っていました。
そんなある日、その営業マンが、私の元へやってきてとんでもないことを言い始めたのです。

「社長、外装のある自動洗浄機を開発したいのですが…」

さすがの私もこの申し出には驚かされました。そこで彼に言いました。

「開発したい気持ちは良く判るけど、開発者としての専門技術というか何か自慢になる事はないか?」

彼は自信たっぷりに私にこう言いました。

「漫画なら画けます。」

私はうーんとうなってしまいましたが、漫画が書ける人なら頭が柔らかく発想力も豊かなのかもしれない。
ひょっとするかも知れない。
理性を出さない予知能力の高い貴重なタイプのメンバーなのかも知れない。そんなことを思いました。

そういえば彼は毎朝日替わりで違う漫画の本を持参して出勤し、休み時間に愛読していました。

ここは一番、彼に期待してみようか、そんな気持ちになりました。

文責 会長 澤入 精

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